#5 日曜日はスクワット

ぼやき

週の終わりはスクワットで終わる。朝は8時過ぎに起床し、支度。サプリと朝食を摂る。9時に寂れた愛車(自転車)にまたがり、行き慣れたユートピアへ(ジム)。この時間帯はいつも人が少なく、ベンチ台は空いている。すぐに服を脱ぎ、愛用のタンクトップに。事前に自重でスクワット。尻とハムストリング、大腿部を伸ばしながら温める。十分に温まったら、バーベルにプレートを付けず、まずは20kgのバーでフォームを確認しながら、スクワット。シッカリしゃがみ尻と脚に効かせる。2,3セット繰り返し、プレートをセット。ここから始まる週末の儀式。

僕は今年で30歳。年々、体の衰えを感じる。腰痛にも悩まされ、風呂上がりのストレッチは欠かせない。数年前に筋トレを始めたが、目的は貧弱なガリガリの肉体からなんとなくイケてるマッチョになりたかったのとアンチエイジング。けれども、具体的にどうしたいとか、大会に出たいとか目標がなかったので、殆どメニューを変えず、惰性で体を鍛えてきた。僕は日常からスキニーを履くので、足が太くなるのに抵抗がある。見栄えが悪くなるかもと思い、下半身の筋トレは一切しなかった。

皆さんはチキンレッグという言葉を知っているだろうか。上半身を過度に鍛え、下半身に筋トレの時間を割かなかった場合、上半身ムキムキ、下半身はまるで鳥のように細いというやや歪な容姿を揶揄する言葉だ。ある時チキンレッグと言われていた某トレーニーの写真を見つけた。立派だった。同じ雄として、己を鍛えさらに素晴らしい肉体を得た彼は心から尊敬に値する。チキンレッグ?全然違和感などない。下半身を凌駕する上半身があるのだから。その写真を見てふと、妻に見せた。妻は気持ちが悪いと言った。ショックだった。僕の向かう道がまさにこのチキンレッグトレーニーだったから。(イメージは下記参照)

妻はマッチョに対していいイメージを持っていない。むしろ、気持ち悪いと思っちゃう系の女性だ。近年の筋トレブームで、女性もフィットネス界に足を踏み入れ、皆自分の理想の肉体、スタイルを手に入れるために努力をしている。そんなフィットネス女子のマッチョに対する理解は言うまでもないが、否定派も存在するのが悲しい現実だ。そして、自分の妻は悲しいことながらアンチマッチョ派なのだ。

鍛えた後にパンプした体を見せても、「はいはい」「細いほうがいい」とか、鋭く尖ったアイスピックで僕のハートを刺してくる。これには若干Mの僕でも喜びを感じることはできない。哀しい。

話は戻るが、これから僕は体を鍛え続けると上半身は筋肥大化していくだろう。しかし、このまま足を鍛えなければチキンレッグ野郎になってしまう。チキンレッグ野郎になった僕を見て妻は何を思うだろうか。ただでさえ、マッチョに対する理解がない妻のことなので、きっと僕を生理的に無理だと思うに違いない。きっと将来生まれてくる可愛い子供たちにも、それが伝わり、家族一同僕を気持ち悪い父と思うに違いない。

娘「チキンレッグパパキモい。あっちいって。」

そして、僕は毎週日曜日ジムでスクワットを始めた。

妻への想いとバーベルを肩に背負い、足を曲げる。膝から引かず、ケツから引く。そして、気合いで立ちがある。10回で1セット。しゃがんでもうダメだと思っても気合いで立つ。しゃがむ。立つ。しゃがむ。立つ。自分をとことん虐め抜く。まさにセルフSMだ。プレートを変えて10セット。各セットの終わりにバーベルなしでスクワット。追い込む。月曜日の朝は鍛えすぎて歩けなくなるのが理想的だ。きっと明日も僕は歩けない。それでも歩む脱チキンレッグへの道。まだまだ道のりは長い。

そう言うわけで日曜日はスクワット。週末は脚と尻を鍛えるのだ。週のお尻(末)だけにね。

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