#8 手のひら返し

ぼやき

連日報道される大谷選手の通訳を務められていた水原一平さんの違法賭博、並びに大谷選手からの窃盗疑惑。メジャーの開幕戦後に起きた大変ショッキングなニュースであった。

水原さんは通訳ながら、国内外で野球ファンからの認知度は高く、マネージャー業務からデータ分析業務、そして大谷選手の練習相手としてマルチに活躍されており、公私共に大谷選手を支えていた。その活躍はまさに4刀流、いや多刀流といっても過言ではない。

しかし、こうした知名度、好感度もあってか今回の騒動は我々に大きな衝撃と失望を与え、連日のニュースでもコメンテーターが苦言を述べたり、掲示板、ニュースのコメントでも非難の声が多かった。

そんな中、最近では水原さんの通訳スキルを蔑む声も少なくない。

水原氏について「僭越(せんえつ)ですが、、、あの通訳でいいんですか、、と… ベイビークラスの私ですら首を傾げました まずは英語以前の問題として滑舌の悪さに驚きました 通訳としては言葉がクリアーじゃありませんよ」と指摘。「私の英語の先生でさえも聞き取れないと話されていました」とした。  続いて水原氏の英語について「カジュアル過ぎて丁寧さは残念ながら…感じなかったですねぇ」と印象を述べ、「6歳の時にアメリカへ渡りアメリカで育たれた水原氏の英語は当然ネイティブですよ。お顔は日本人ですが水原氏はアメリカ人ですからね」とした上で、「しかしですね 大谷選手を応援する者としてはもう少し丁寧に訳してあげて欲しかったです」と思いをつづり、「例えるならば…ネイティブに英語が話せる兄ちゃんが…ビーチにでも行く前にアルバイトの軽いノリでちょちょちょいっと訳した そんな雰囲気ですよ とても、とても、、プロの通訳さんのお仕事ぶりとは思えませんでした」と私見を述べた。

松居一代氏のコメントより

「水原さん、頭いい方だと思うから、メモとか取らないんだろうと思うんだけども、本当メモとか取らずに大谷選手の言葉を聞いて」とし、「でも私が聞く限りは、大谷選手の日本語を、自分なりの解釈なり、自分なりの考えを含めたような、ちょっと突拍子もない意訳みたいなことで言うことがあったんですね」と指摘した。

清原弁護士のコメントより

今回の騒動に乗じて、水原さんの過去の仕事を否定するのは疑問に感じる。お門違いも甚だしいとはこのこと。

僭越ながら英語学習にそこそこ注力してきた身としては、水原さんの通訳は大変素晴らしかったように思える。

まず通訳のスキルについて。正しく丁寧に発言を英語に訳すだけなら、まさにAIでもできる。言葉のニュアンスを汲み取り伝えつつも、聞き手側に誤解を与えるような部分は排除したり、気分を害さないように別の言葉で置き換えるなど、同時通訳をしながらこういったところもケアするのが通訳者であり、水原さんはまさにプロフェッショナルだったように思える。

話題になったドジャース入団会見。大谷選手が「勝つことが一番大切だと思います」と言ったとき、「Winning is the most important thing.」と私なら訳してしまいそうなところを「Winning is on the top of my list. 」翻訳。この言葉選びが秀逸で好きだ。プロだと思う。

次に滑舌?発音?に関して。国、地域によってアクセント、イントネーションが変わるのだから、これは言うまでもなく、見当違い。2022年M1王者ウエストランド井口さんの言葉を借りるなら、皆目見当違い

とにかく、長年大谷選手を支えてきた実績は不変であるので、そこは素直に賞賛し、早い事実の究明とお二人それぞれの今後の活躍を祈りたい。

滑舌、発音といえば、7,8年前のこと。中国留学時に日本語専門の中国人学生に日本語を教えたことがあるのだが、「ヤマさんの日本語は方言が強くてワカリヅライデス。勉強にナリマセン。」って言われたのふと思い出した。うう、辛い。

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